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それを不審に思った父親は、学校の担任教諭に2回にわたって相談した。
だが、結局、その理由はわからず、Aくんを問い詰めても、「ゲームに使った」というのみだった。
次第にAくんの口座も底がつき、今度は、祖父母の家からお金を盗んで渡していたという。
「お父さんはAくんを頭ごなしに怒ってね。“お金を何に使ったんや?”って。Aくんはただ泣くばかりだったそうですよ」(前出・知人)
盗んだ理由を決して語ろうとはしない息子に対して、父親は祖父母宛てに謝罪の手紙を書かせたという。
そこにはこんな文章が書かれていた。
<おじいちゃん、おばあちゃん、お金を盗ってごめんなさい。僕は悪い友達とは付き合っていません>
「もし、いじめのことを明かしたら、いじめっ子たちに何をされるかわからない、そんな恐怖もあったでしょうが、
おじいちゃんおばあちゃんに心配かけたくないという思いから、そんな文面になったんでしょうね。
Aくんの思いもですが、それを書かせることになってしまったお父さんの気持ちを考えると切なくて、切なくて…。
いまにして思えば、お金がなくなったのは“いじめのサイン”。あの時に気づいて、
もっといろいろ動いておけばと、お父さんは後悔してもしきれず、いまも自分を責めているんです」(前出・知人)(終)