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ＩＳＤ条項がアメリカに有利な制度というのは無知からくる妄想だ
ＩＳＤ条項は企業が外国での投資で内国企業より不当に差別され、理不尽な損害を被った場合に相手国政府を訴えられる制度
国際的には1960年代以降、二国間の投資協定やＥＰＡ等に標準的に規定されている
日本も1978年の日・エジプト投資協定以降、20を超えるＩＳＤ条項を含む投資協定を締結している
公正な紛争処理手続きを設けることにより、国家間相互の不当な規制から企業を守るもの
よくアメリカに有利な制度だと主張する人が出す例に、米国化学企業がカナダ政府をＮＡＦＴＡの仲裁法廷に訴えた事例がある
ところがこれは、そもそもカナダの国内企業がカナダ政府を国内の法廷に訴えて勝訴した事例で
カナダ政府の行為は違法だったのだ
国内法でも違法なケースでは外国企業に訴えられても仕方がない
米国政府はこの枠組みで同様に相当程度、提訴されていて、つまり双方向なのであって米企業や米国に一方的に有利ではない
アメリカが国際投資紛争解決センター（ICSID）に提訴した事例では、これまで敗訴２２回、勝訴は１５回でありアメリカが有利とはいえない