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・大津市で自殺といじめについて訴訟が起きているが、9日、別の中学の生徒の自殺をめぐる裁判で
東京地裁は「いじめがあったと認めることができない」として両親の訴えを棄却した。
自殺があったのは2005年。埼玉県北本市の中学1年、中井佑美さん(当時12)が自宅近くの
マンション屋上から飛び降り自殺した。自宅には「死んだのは、(中略)クラスの一部にテストの
せいかも」などと書かれた遺書があった。両親は自殺の原因はいじめだったとして、市と国を
相手取り約7670万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。父親は「きもい、うざい、死ね、などと
いわれていた」といじめがあったと主張していた。だが、判決は「自殺の原因となるような
いじめはなかった」と結論づけた。
この学校でも自殺後に生徒にアンケートを行っていた。リポーターの清水貴之が実物の拡大版を
示しながら説明する。タイトルは「学校生活アンケート」。設問は「今、学校へ来るのは楽しいですか」
「学校生活で、何か心配なことや、気になることはありますか」といったものだ。
清水「自殺があったこととか、いじめのこととかについての質問はありません。生徒たちは何の
アンケートかよくわからず答えさせられて、この結果をもとに学校も裁判所も判断しています。
しかも、この内容でさえ開示していません」
司会の羽鳥慎一「大津市のアンケートも隠蔽ではないかといわれていますが、こっちはもっとひどいですね」
判決ではこうした学校の調査についても、「不適当とはいえず、隠蔽の事実も見当たらない」とした。
弁護士の田中喜代重が解説した。「いじめと自殺の訴訟では、(1)いじめがあったのか(2)いじめと自殺に
因果関係があったのか(3)いじめから自殺が予見できたのかの3つのハードルがあります。この判決では
(1)ではねられてしまった。結局、いじめとは何かという話になるが、はっきりいって、裁判官によってかなり
受け止め方が違います。本人の目線に立つかどうかです」
教育評論家の尾木直樹「いじめの定義そのものが2007年に変わっています。本人がいじめと感じたら
いじめになんです。今回はそれに基づかないで裁判が行われた。裁判所の怠慢です」(抜粋)
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