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未婚女性の貞操が重んじられるイラクでは、男性の申し立てに応じて裁判所が女性に「処女検査」を命じることが可能だ。
中東では新婦が処女でなかった場合、名誉を傷つけられたとして新郎の親族が新婦を殺害することもあるほどで、結婚ま
で処女でいることは女性にとって文字通り「生死」にかかわる問題だ。
イラクでは新郎が新婦が処女でないと疑いを持った場合、裁判所に申し立てをすることができる。申し立てを受けた裁判所
は、バグダッド(Baghdad)の医療法務機関(Medical Legal Institute、MLI)に検査を命じる。
検査の結果、女性側に婚前性交渉はなかったと判明する場合がほとんどだ。とはいえ、検査が女性にとってつらい体験で
あることに変わりはない。
処女検査の実施機関や医師、弁護士らを、AFPが取材した。
■検査の背景に誤った「処女」知識
MLIでは1日平均数件の「処女検査」が行われている。MLIのムンジド・レザリ(Munjid al-Rezali)所長によると、検査要
請は初夜の翌日が多い。要請は珍しいことではなく、「よくあることだ」という。
MLIで検査を担当するサミ・ダウード(Sami Dawood)医師は、「男性たちは、初夜の後、女性は出血するものだと信じている。
このため、出血しなかった女性は処女ではないと思ってしまう」と述べ、イラクにおける性教育と性に関する知識の貧しさを嘆く。
処女検査の所要時間はおよそ15~30分。女性医師1人以上を含む3人の医師が処女膜の検査を行い、別の医師2人が
結果を検証する。検査の結果は裁判所に直接送られ、第3者が閲覧することはないという。
女性だけでなく、男性側の性的不全を検査することもある。というのも、自身の勃起不全を恥じた男性が、これを隠すために
女性が処女ではないと主張することがあるからだ。
URLリンク(www.afpbb.com)