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このままでは日本が廃れる… 東京五輪開催で“大リニューアル”を
「東京に五輪を招致すべきです。このグローバル時代に日本が発展していくため
には、東京が世界の核となる都市になることです。東京が世界の都市間競争に敗れ
れば、日本全体が廃れてしまう恐れがある。世界中から人が集まる引力を持つ都市に
東京を作り直すことが必要です。それも急がれるんです。そこで一番効果的なのは、
再び『東京五輪』を誘致、開催することです」
こう熱を込めて語っていたのは、先ごろ亡くなった森ビルの森稔社長だ。六本木ヒル
ズなど“垂直の都市”のまちづくりを行い、民間企業として都市再開発に夢を描きチャレ
ンジしてきた優れた事業家である。森さんが力説するのは、一言でいえば「東京の大
リニューアル」だ。例えば、前回の五輪(1964年)の際に、慌てて河川の上につく
った首都高速道路を、次の五輪を機に地下化して、水のきれいな河川を復活させる。
水と親しめる川辺を再生し、豊かな生活空間を取り戻す。
五輪で整備する競技施設も、五輪後に魅力あるコンテンツを生む場とする。スポーツ
の競技場としてだけでなく、オペラや歌舞伎、ミュージカルなど文化の発信基地にして
いく。そうして世界から人を引き寄せる魅力ある都市とすれば、滞在人口をいまの2?
3倍にすることは十分可能だ。「新東京」のグランドデザインを描き、実現してい
けば「東京ひいては日本の将来は明るい」と、森さんは確信をもって語っていた。
もっとも、乗り越えるべき課題は少なくない。
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