12/06/26 22:40:45.58 3E8thcB1O
>>323
■海外では、低所得層の総負担(直接税と社会保険料を合わせた負担)は、中所得や高所得層の負担に比べて低い。
逆に、日本は6ヵ国で唯一、低所得層の負担が高くなっている《逆進的》。
▽逆進的…所得に対する負担の割合が、低所得者ほど高い
『なんと「貧しい階層」から「富める階層」へ所得移転がなされ、「貧しい階層」は更に貧しくなっている』。
●アメリカ
○低位 ▽所得…一番少ない6.2% →▽負担…一番少ない1.8%(大幅に低下)
○高位 ▽所得…一番多い40.8% →▽負担…一番多い57.1%(大幅に増加)
アメリカは確かに所得格差の大きな国で、高位は、所得シェアが6ヵ国で一番多い40.8%だが、負担も6ヵ国で一番多い57.1%支払っている。
逆に、低位は、所得シェアが6ヵ国で一番少ないが、負担も6ヵ国で一番少ない。
●イギリス
○低位 ▽所得…7.7% →▽負担…2.5%に低下
○高位 ▽所得…39.4% →▽負担…49.5%に増加
日本やアメリカと同じ新自由主義だが、所得が高位ほど負担が大きく、低位の負担は軽くなっている。
●日 本
○低位 ▽所得…アメリカに次いで2番目に少ない6.7% →▽負担…一番多い7.9%に唯一増加(逆進的)
○高位 ▽所得…真ん中の37.5% →▽負担…一番少ない39.3%とあまり変わらず
『日本の低位は、所得シェアはアメリカに次いで少ない。ところが、負担シェアでは、“6ヵ国で唯一増え(逆進的)”一番多い』。
日本の低位は、他の国よりも、多くの負担を強いられている。
高位は、所得のシェアは6ヵ国で真ん中だが、負担の割合が一番少ない。他の国よりも、所得に見合った負担をしていない。
●つまり…
『日本の低所得者層は、所得に不相応な負担を強いられている。高所得者層は、所得のシェアに比べると、負担が少ない』。
『このような所得と負担の配分の違いが、貧困率の「逆転」という現象を引き起こしている』。
『日本で貧困や低所得層から抜け出すことは、他のどの先進国よりも、アメリカよりも難しい』。
『消費税は逆進的だから、実際には、低所得層の負担はさらに多い』。
■参考
◆『子どもの貧困―日本の不公平を考える』(阿部彩。岩波新書)