12/06/22 11:16:41.88 0
(>>1のつづき)
そんな能天気な高齢出産ブームとは裏腹に、日本産婦人科医会からは驚くべきデータが
発表されている。胎児異常が理由とみられる中絶数が、10年前と比べて倍増しているというのだ。
しかも、ダウン症に限ってみれば3倍近くにもなっている。
このデータは、横浜市大先天異常モニタリングセンター(センター長=平原史樹・同大教授)が
日本産婦人科医会所属の約330施設を対象に調査したもの。無脳症(脳と頭蓋骨の大半が
欠けた状態)や水頭症(髄液がたまり脳室が大きくなる病気)、ダウン症といった胎児異常が
理由とされる中絶の総数は、90~99年で約5400件だったが、00~09年には約1万1700件に
増加している。ダウン症は最も増加率が高く、370件から1100件に増えていた。
日本産婦人科医会は、高齢出産の増加と簡易な出生前診断が原因と見ている。出生前診断とは
妊娠中に胎児の異常がないかを調べる検査の総称で、腹部に超音波を当てて子宮内を
映し出す「エコー検査」や、妊婦の血液を調べる「母体血清マーカー検査」、腹部に針を刺して
羊水を採取する「羊水検査」、胎盤の組織を採取する「絨毛検査」などがある。
東尾が受けたクアトロテストは、「母体血清マーカー検査」に当たる。妊婦の採血だけで済む
安全な検査だが、ダウン症などの障害がある"可能性"しかわからない。確定診断のためには
羊水検査をしなければならないが、こちらは約0.5%の確率で流産のリスクがある。東尾が羊水
検査を受けないと決めたのは、流産を避けるためであろう。
前出の女性医師は、「本来、出生前診断は抑制的に行われるものです。ややもすると"障害児は
生まれなくていい"とする優生思想につながりますから」と語気を強める。彼女自身は夫婦で
相談して診断を受けない選択をした。結果的に生まれた子は健康だったが、診断を受ける場合は
専門家によるカウンセリングと、十分なインフォームドコンセント(説明と同意)が欠かせないという。
(>>3-10につづく)