12/06/21 18:52:12.85 0
今でもよく覚えている。十数年前、北ア鹿島槍ケ岳の山頂で休んでいたときのことだ。戦闘機が谷筋を縫うように
飛んでくる。こんな場所になぜ、と思っていたら、向かいの五竜岳との間、眼下の八峰(はちみね)キレットをすり抜けていった
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キレットは稜線(りょうせん)の切れ目を指す。山並みにあいた窓のようなものだ。飛行機はキレットの底の方を
飛び越えていった。岩壁が周りを取り囲む狭い地形である。パイロットにしてみれば、小さな窓に突っ込む
くらいの気持ちだったろう
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戦闘機は自衛隊機ではなく米軍機だったはずだ。そう推察できる資料が最近公表された。沖縄普天間飛行場への
垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの配備にからみ在日米軍が発表した資料である。日ごろ使っている訓練空域として、
北アを縦断するルートがはっきり書いてある
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御岳山付近から始まり乗鞍岳―槍ケ岳―白馬岳と北上。直角に折れ妙高山、志賀高原から新潟方面へと向かう。
「ブルー」と名付けられたルートである。鹿島槍の山頂で見た光景と符合する。ルートはほかに「グリーン」
「オレンジ」など五つ。青森県から沖縄県まで広がっている
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米軍機の訓練による事故が世界で頻発している。中でもオスプレイは開発中に墜落事故を何度も起こした。
そんな危ない飛行機が、北アの狭い谷筋に入り込んでくるかもしれない。「反対」と声を大にしたくなる。
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