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路線バス運転手の俺は仕事上、様々な客を乗せる。
弁護士・公務員・医者・獣医師・医学生・旧帝大学生・税務署職員、電力会社などのインフラ会社社員
警察などの特別国家公務員・アナウンサー・TV局職員・新聞社社員、一流大手企業社員、銀行員
学校教諭や大学教授・名門私立幼稚園・小・中・高校、高偏差値の学校の学生などなど。
俺は散々、こういう乗客に馬鹿にされてきた。
俺の職業を嘲笑された。失笑された。
乗車・降車の際、露骨に態度で示された事も多々ある。
「ちゃんと勉強しないと、こんな職業になるよ」
とある高級住宅街に住む名門小学校の親御さんたちが子供を乗車させる際、
俺を指差しながら子供にヒソヒソと話していたのも聞いた。その時、まだ乗客はなく完全に俺を指差してた。
仲間の親御さんたちも、口を隠して爆笑していた。
車内事故防止の観点からバス車内には多数の車内ミラーが設置されているため、
乗客が死角と思っていても運転手には見えているのだ。
また、高偏差60後半の高校の男子3人がカップラーメンを食いながら乗車しようとしたので注意した。
聞き入れて貰えたので乗車させたが、俺の近くの座席に座り、こう会話していた。
「運転手ごときが、誰に向かって口聞いてるのwいずれ俺らと社会的地位が全然違うのにw」
どちらも、俺は殴ってやろうかと思うほど悔しかったが、歯を食いしばった。
2ちゃんねらーから毎日のように職業を馬鹿にされてきたから、グッと耐えることが出来た。
馬鹿にされても致し方ない事実の前に甘受するしかなかった。
でも、最後の乗務を終え「回送」で1人でバス営業所へ戻って来るとき、ふと涙がこぼれた。