12/06/13 11:59:56.55 NmpS5mYOO
>>367
★精神的貧困(質的貧困)を含む海外と、含まない日本の生活困窮ラインの違い
■日本人が考える必需品(健康で文化的な最低限度の生活)と、イギリス人が考える必需品(ケインズの言う所の美的生活か)のレベルの違い、その一例
◆『弱者の居場所がない社会―貧困・格差と社会的包摂』(阿部彩。講談社現代新書)
「イギリスの子どもの貧困研究では、貧困層の子どもがもっとも恐れるのは、学校で仲間はずれになることであり、
それを避けるために、みんなと同じような服装が非常に重要だと言われている。
『《家族が必要な衣料》というのは、必ずしも、安価な量販店やバザーで調達できるものではないのである』」
■EUは、「その国の平均的な所得の60%以下を貧困ライン」として設定し、随時公表。貧困対策の基礎資料にしている。
注目すべきは、貧困ラインの設定が、相対的貧困率のラインである中央値の半分より、多くの所得がある人まで、貧困に含めている。
貧困の定義に、所得水準(量的貧困)だけではなく精神的(質的)貧困も考慮。
日本には、貧困ライン《貧困の見える化》が無い。だから当然、貧困対策も講じられず、放置され未救済。
■格差の王様アメリカの中間層の定義は、所得水準だけではなく精神的(質的)側面も考慮。一方、日本は所得水準だけで規定。
日本はアメリカ以上に、《底辺への競争》に積極的
◆没落する中間層[週刊エコノミスト 2012/01/31]
米国では、商務省が2010年1月、「米国における中間層」と題する報告書を発表した。
そこでは、多くの米国人が自らを中間層と認識する半面、
①子弟の教育に熱心で、
②恵まれた住宅環境を確保し、
③将来の医療費増加への準備も怠らない
―という中間層のライフスタイルを維持できる人が、実質的に減少していると結論付けている。
この報告書で重要なのは、中間層を単に所得水準で規定するのではなく、
①中間層たるゆえんとしての質的側面に変化が見られ、
②生活の安定と将来の見通しに陰りがみえている
―という点である。
日本が「中間層の拡大」という量的側面を強調するのに対して、米国は「中間層の意味」としての質的側面にも着目している。