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・またも「誰でもよかった」である。大阪・ミナミであった通り魔事件。私的な不遇を言い訳にして
落ち度のない人の命を奪うとは同情の余地は一切ない。みんなが生きづらくたって耐え忍んでいる。
殺人未遂容疑で逮捕されたのは無職礒飛京三容疑者(36)だ。警察の調べに「住む家も仕事もなく、
生きていくにはどうしたらいいのかと自殺を思い立った」と供述したという。覚せい剤取締法違反罪で
新潟刑務所に服役し、五月に出たばかりだった。
十日の昼下がり、ミナミの繁華街で通りすがりの男女二人を包丁で襲い、無言のまま繰り返し
刺して殺害した。警察は容疑を殺人に切り替えて調べている。
二〇一一年までの十年間に通り魔事件は全国で七十件近くあった。東京・秋葉原の無差別殺傷事件や
大阪市此花区のパチンコ店放火殺人事件などは衝撃的だった。
社会への恨みを募らせ、自暴自棄になって他人を殺傷する経緯はそっくりだ。「相手は誰でもよかった」
「人生に嫌気がさした」という犯人の訴えは共通している。
年間の自殺者は十四年連続して三万人を超えた。自殺であれ通り魔であれ、コインの裏表の
ように同じ絶望的な思いに根差しているとの見方もある。自殺者数の高止まりと通り魔事件の頻発は
軌を一にしているのだろう。
無差別凶行は許されないが、希望を失わせる社会はいけない。自殺対策と同様の視点に立って
仕事や住居が不安定だったり、孤立無援だったりする人を支えることが通り魔を防ぐ一助にならないか。
とりわけ刑務所を出てから再び犯罪に走る人の七割は無職とされ、再犯率は仕事のある人の
五倍という。国は出所者の社会適応訓練や職業紹介、身元保証などの手だてにもっと注力してほしい。
宮城県や兵庫県のように出所者を雇い入れる協力雇用主を公共事業の入札で優先する取り組みを
全国に広げたい。
刃物の販売を制限したり、警察官の巡回を増やしたりといった地道な対策の積み重ねも大切だ。
幼い娘三人の父親だった東京の男性と手料理が評判だった地元の女性。二人の犠牲を決して
無駄にしてはなるまい。(抜粋)
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