12/06/01 11:43:08.70 U/sCmvWfO
◎ここまで来たら、根本から憲法を議論しよう 〈『明日への選択』平成24年6月号〉
URLリンク(www.seisaku-center.net)
今年の五月三日は、かつてなく様々な憲法改正提案でにぎわう憲法記念日となった。
自民党、みんなの党、たちあがれ日本が具体的な改正案や方向性を提起したのはもとより、
例えば憲法改正条項の改正、首相公選制や一院制など統治機構の改革、あるいは緊急事態条項の新設……等々が具体的論点として話題となったからだ。
しかし、筆者はそんな中、ここまできたなら、今度はむしろ腰を据えて、根本的な憲法思想そのものに関わる議論を始めてもいいのではないか、
との思いを禁じ得なかった。というのも、これまではともかく憲法を変えてみること、憲法の壁にまず風穴を開けることが先だと考えてきたが、
その可能性が微かではあれ出てきたとすれば、今度は更にその先に眼を向けてみることも必要ではないか、と思えてならなかったからだ。
筆者の脳裏にあったのは、憲法そのものが拠って立つ思想、という問題である。
あえて単純化させてもらえば、わが憲法の、国家も歴史・伝統も共同体も一切排除した「個人」という思想を、
根本から乗りこえる国家観・人間観・家族観を、今こそ新たな議論の俎上に載せてみてもよいのではないか、ということだ。