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★河本責められても仕方ないが…個人批判は選挙近しの“点数稼ぎ”?
・先週末のテレビではお笑いコンビ「次長課長」の河本準一の顔が、いやというほど流れていた。
母親の生活保護受給問題で、虚偽申告など不正はなかったものの一定の高収入を得るように
なった後も受給が続いた。同様のケースは掃いて捨てるほどあるだろう。河本は人気芸人ゆえに、
1人袋だたきにされた感じだ。
良識が欠けていたのは確かで、責められても仕方ない。ただ河本の肩を持つつもりはないが、
5~6年前から福祉事務所とも相談していたという。子が親をほったらかしにして、孤独死させる
悲惨なケースも耳にする。親子の絆が弱まったいま、福祉事務所と相談しただけでもましな方だろう。
この問題は女性週刊誌で匿名報道され、片山さつき参院議員がブログで実名批判した。
「不正受給の抜け道を許さない」という姿勢はわかるが、国会議員とはいえ個人名を出すのは
行き過ぎではないのか。いったん名前が出てしまったら、ことの本質の議論を抜きに雪崩を打って
河本に批判が集中するのは当然だ。
生活保護費は今年度で年間3兆7000億円が見込まれ、東京都のケースで親子3人家族が
保護を受けた場合、住宅扶助と合わせ約24万円が支給されるとか。不正受給も増え続け、
22年度は約128億円にも達した。月額6万5000円の国民年金生活者から見れば「バカバカしくて
やってられない」と思えるだろう。
片山発言は生活保護の実態に目を向けさせたが、元々政治が悪いからこうなったのではないか。
不正受給が増えたのは自民党政権時代からという。失政を棚に上げ“飛んで火に入る…”と
ばかりの個人批判は、選挙近しの“点数稼ぎ”と指摘されても仕方ない。(サンケイスポーツ・今村忠)
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