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★ネットの中のワタシはどこの私か 粉川一郎(武蔵大学 社会学部メディア社会学科 教授) 2012/05/21 12:18
●アーキテクチャが許してくれない「新しい私」の構築
2ちゃんねるが素敵だったと思うのは、バックグラウンドにある現実世界の「自分」を一切排除した
新しい参画の場を作り出したこと。そこに低いハードルで参画できることを保証した。
論理性のある文章を書く必要性を排除し、「キボンヌ」「モナー」「ゴルァ」といった古い2ちゃん語は、
その語さえ用いればなんとなくその場にふさわしい発言と認められる緩やかさを実現した。
そして、2ちゃんねるに求められるコミュニケーション様式をコピペという形で広く伝えることも行われていた。
コピペは、2ちゃんねるというコミュニティにおける伝承される神話と考えることもできる。
昔から人々はムラ社会の中で神話を口承して共有し、コミュニティの成員としての意識を高めていった。
同様のことを過去の2ちゃんねるのコピペに見出すことができる。
コピペの中にコミュニティにおける規範意識が明確に示されているのだ。
アスキーアートで描かれた「チラシの裏にでも書け」という自分語りへの警告や、fusianasanのコピペによるネット上のリスクの啓発等々。
それはコミュニティにおけるリスクや忌避すべき態度をコピペの形で伝播させ、集団の成員となるためのハードルを下げるものだった。
(続く)
cnet japanから抜粋 URLリンク(japan.cnet.com)
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