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生活保護受給者数は、2012年1月の時点で、制度開始当初(1950年)を超える過去最大の209万1902人にまで達した。
税金から支出される生活保護関連予算は3兆7000億円に上る。消費税1.5%に匹敵する数字だ。
生活保護受給者増大には、長引く不況や震災が影響しているが、
その陰で、多くの人が首を傾げるような生活保護のグレーゾーン受給者が増えているという現実がある。
大阪市に住むAさん(73才)は元喫茶店店主。国民年金を受給しているが、4年前からあわせて生活保護も受け始めたという。
「15年前に妻に先立たれ、お客さんがあまりはいらへんくなった。その後、店を売ってずっと借家住まい。
国民年金は30年以上保険料を払ってきたけど、もらえる金額は月4万9000円程度にしかならん。
貯金を切り崩しながら細々と暮らしてきたんやけど、とてもじゃないけどやっていけへん」(Aさん)
そこで、区の福祉事務所に行き、窓口で生活保護を相談。資産や収入を書いて申告書を出すと、審査が始まった。
「1週間後くらいにケースワーカー(一般的に自治体の生活保護担当者をこう呼ぶ)という相談員の家庭訪問があって、
貯金通帳を全部見せたんや。それから、また1週間くらい後やね、福祉事務所から電話で連絡があって、
8万円近くが毎月振り込まれるようになった。
年金とあわせると、月13万円程度。病院のお金もかからんし、生活は前よりずいぶん楽になった。
それまで3、4日に1回だったビールも毎日飲めるし、週に1回はおでん屋や焼き鳥屋、
たまには寿司屋に行くときもある。タバコも1日1箱。20才の時から吸っているんでやめられへんのや」(Aさん)
自営業者の場合、国民年金に加入して20才から60才までの40年間、保険料を払い続けると、
月額約6万6000円が支給される(Aさんの場合は未払い期間が約10年あったため、その分、受け取り分も減額されている)。
これに対し、生活保護の場合、地域によって差はあるが、月額10万~15万円だから、年金の倍以上の金額が受け取れることもあるわけだ。
それだけではない。医療費は全額免除、住民税は非課税で、NHK受信料は無料、
まだ60才に達していないなら国民年金の支払いも免除される。
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