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<生活保護支給が日本を破綻させる!!>
現在、日本国の税収はおよそ40兆円。そして、その12分の1にもあたる莫大な金額がつぎ込まれているのが、生活保護費である。
NHK取材班著「生活保護3兆円の衝撃」(宝島社1238円)は、NHK大阪放送局が制作したテレビ番組の書籍化。
この国の住民の生存権を保障するための制度が、大きな財政負担となっているのはなぜか。その背景を探っていく。
本書に登場する生活保護の受給者には、「生活保護を受ける生活を続けていくうちに、
働く意欲が減っていく」という共通点が見えてくる。彼らは皆、かつては意欲的に働いていた人たちだった。
しかし、倒産や派遣切りの憂き目に遭い、生活保護を受けざるを得なくなる。そして、最初こそは懸命に仕事を探すが、
いつしかその意欲も消滅していく。
平成22年に大阪市が行った調査によると、就労支援を行った受給者のうち、
生活保護から抜け出せた人は、受給期間6カ月未満で15%。そして、1年以上5年未満では6%、
5年を超えると1%と、受給期間が長くなるほど保護からの脱却が難しくなることが分かる。
働いて得られる最低賃金が、生活保護を大きくは上回らないなど、働く意欲を失わせる制度としての問題を、本書は指摘する。
2009年3月以降、65歳未満の働ける世代でも、“仕事がない”という理由だけで保護の受給が可能になった。
新たな受給者は、この2年余りで40万人以上を数えている。
高齢者や母子家庭、傷病者のために、生活保護は必要な制度だ。
しかし、その根本を見直さなければ、日本の財政は破綻へと突き進んでしまうだろう。
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