12/05/15 18:51:46.85 0
(>>1からの続き)
●カメラマンが見せてくれた「お蔵入り映像」
個人的には報道の権利よりも優先すべきものがあると思っているので、「ラブホをホテル」はしょうがない
なあと思うが、「報道の作法」を気にするあまり、本質的なことを報じられなくなるという問題もある。
東日本大震災の発生から1週間後。親しい某ニュース番組のテレビカメラマンから「お蔵入り映像」を見せて
もらった。
震災直後、関東某所の避難所に、福島第一原発の作業員が妻と娘をつれて訪れた。彼は協力企業の人間から
サーベイメーター(携帯用の放射線測定器)を奪うと、愛娘を調べ始める。すぐに針が振り切れ、ピーピーと
いう大きな音。なだめる協力企業の人間から、「俺は毎日つかってっからわかんだ! やべえだろ、これ!」
と怒鳴って取り乱す作業員。震災からまだ1週間ほどだったので、モニターを見て思わず息を呑んだ。
この映像はテレビ局幹部から「あまりにショッキングで、視聴者の恐怖心をいたずらに煽る恐れがある」
としてボツになった。「報道の作法」に反するというわけだ。
放射線の人体への影響はいまだに議論があるが、あの時、福島第一原発の作業員がこのような形で避難し、
恐怖を感じていたというのはまぎもれない「事実」だ。あれはやはり報じるべきではなかったか、と個人的
には思う。
プライバシーや世論の反応を気にして言葉を選ぶのはいい。ただ、「報道」を名乗っているのだから、
あまりに度を過ぎて事実から目を背けるというのは、逆に「道」を踏み外していることになるのではないか。
(記事引用ここまで)