12/05/02 08:54:37.45 0
群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客七人が死亡、三十八人が重軽傷を負った高速ツアーバス事故を、
同じ仕組みのバスに乗務する運転手らは切実な思いで受け止めた。「旅行会社主導で、しわ寄せは
すべて現場に来る」。ツアーバスの乗降場で聞くと、あえぐように苦境を訴える声が聞こえてきた。
「規制緩和でバス会社が急増し、価格競争が激しくなった。どこも長距離運転は二人から一人になった」
東京・新宿駅近くで一日夜、ツアーバスから降りてきた男性添乗員(53)は、そばで見る運転手の過酷な
労働環境を説明した。
「運転手から八日、九日連続乗務なんて当たり前のように聞く。ただ、今日の運転手が、群馬の事故後に
会社から『勤務体制を見直す』という連絡があったと話していた。ようやく業界内で見直されるかも」と続けた。
添乗員によると、運転手が運転中、うとうとする姿を何度も目にしてきた。そういう場合は声を掛けているが
「時間通りに目的地に着かないといけないから、運転手は決められた休憩所以外で休もうとは絶対にしない」。
ツアーバスは、二〇〇〇年以降の規制緩和をきっかけに新規参入が相次いだ。国土交通省によると、
ツアーバスを運行する貸し切りバスの事業者数は、同年末の二千八百六十四社から十年間で
四千四百九十二社に増えた。中には事故を起こしたバスのように、旅行会社が旅程を決め、貸し切り
バス会社に運行を委託する仕組みのものも含まれている。
観光バス会社に勤務していた元バス運転手の男性(51)は、今回の事故で、千葉県市原市から広島市までの
約九百キロを一人で往復した経験を思い起こした。
「岡山辺りで疲労が限界になり、ふらふらになり意識が落ちた。『これは危ない』と思った」。幸い近くに
サービスエリアがあり添乗員に限界だと告げて一時間仮眠。乗客には「時間調整」だと説明してもらった。
朝、広島に着いた後も、そのまま夕方まで観光バスを運転した。「大手だと五百キロを超えると二人の
運転手で交代していた。特に夜行で一人は無理。一人では四百キロが限界ではないか」と話す。
ソース
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
続きは >>2