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夏に向けて電力が足りなくなると心配される中、発電もしないのに、膨大な電力を消費している施設がある。
日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)。
浪費する電力は年間8550万キロワット時と、ざっと2万4千世帯分の電力をまかなえる量だ。
もんじゅは、原子炉で出た熱を液体ナトリウムで受け渡し、蒸気をつくる。
ナトリウムは水より熱伝導性がいいが、冷めると固まってしまう。
そのため、作動していないときでも、ヒーターで200度まで熱して循環させる必要がある。
抱えるナトリウムは計1670トンで、普通の小学校のプールおよそ3つ分。
これを回し続けるだけのために電力を食う。
もんじゅに電力を供給しているのは北陸電力。北陸電力は、管内では電力需給のバランスは
それほど厳しくないが、需要が供給を上回る関西電力に電力を融通している。
関電の見通しでは、今夏のピーク時の電力不足は毎時153万~570万キロワットにもなる。
もんじゅが電力を使わなくなれば、もっと融通できる。ただ、関電の不足分が大きすぎ、
全てのヒーターを止めて融通に回しても不足分の0・2~0・7%をカバーできるだけとの計算結果になった。
もんじゅは1995年にナトリウム漏れ事故を起こして停止。
2010年5月に運転再開したものの、8月には核燃料の交換装置が故障して、再び足踏みしている。
もんじゅは、国策として進められてきた核燃料サイクルの中核的存在だが、
大量の電力浪費が許されるのかどうか。
国は、今夏にも存廃を判断するとみられるが、これ以上の先送りは許されない。
(中日新聞)
2012年4月30日 13時55分
URLリンク(www.chunichi.co.jp)