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『厚生白書(平成10年)』
5-6 男性にとっても結婚は急ぐ必要のないものになっている。
このように女性の結婚観が変化してくる中で,男性たちにとっても,先行世代と異なり結婚は急ぐ必要のないものとなっていた。
高度成長期,都市に流入し,一人で暮らす男性にとって,結婚は家事からの解放であるとともに,社会から一人前と認めてもらうためのものでもあった。
しかし,家電製品の普及や外部サービスの発展は単身者の家事負担を大幅に軽減した。まして,親と同居し,母親に家事をやってもらっている男性にとっては,
結婚はむしろ家事水準の低下や家事負担の増加につながるものとなった。
また,「結婚して当たり前」とか「結婚して一人前」といった意識が薄れ,親や周囲からの結婚圧力が弱まる中で,結婚は急ぐ必要のないものになっていった。
さらに,若者文化の隆盛が独身生活の魅力を高める中で,結婚はむしろ,交遊の自由を束縛するものとさえ考えられるようになった。加えて,
妻が専業主婦になれば,消費水準の低下は免れない。性の自由化により,結婚を必要とする意識が薄れてきたのではないか,との指摘もある。
既に豊かさを得ている時代では,男性にとってもやはり,結婚は時間的にも経済的にも心理的にも個人の自由を奪う面が強いと意識されているのではないだろうか。