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台湾の郭台銘氏は74年、サラリーマン生活に見切りをつけ、台北郊外に小さな工場を借りて鴻海(ホンハイ)プラスチックを設立した。
23歳の時である。白黒テレビのつまみを作る従業員15人の町工場で、出資金10万台湾ドル(約30万円)は母に出してもらった
▲苦しい時期が続いたが、コネクター製造に乗り出してから経営は軌道に乗り、パソコン、ゲーム機、携帯電話、
液晶テレビなど次々と分野を広げていく。社名も鴻海精密工業に改め、今や売上高は10兆円に迫り、日本の電機大手を上回る。
M&A(企業の合併・買収)を繰り返して事業版図を拡大する手法から、郭氏は台湾で「現代のチンギス・ハン」と呼ばれる
▲日本で知られていなかったのは、鴻海が自社ブランドを持たない受託製造専門のメーカーだからだ。
だが、シャープの筆頭株主になることで国内でも知名度が高まった。「日台が組めば、韓国のサムスン電子に勝てる」が郭氏の持論だ
▲ソニーも次世代の薄型テレビである有機ELテレビの量産に向け、台湾の液晶パネル大手、友達光電と提携する方向で交渉を進めている。
こちらも日台企業が連携し、韓国勢を追い上げる図式だ
▲電機メーカーに限らず、韓国の勢いは止まらない。経団連の研究機関、21世紀政策研究所の予測では、
韓国の1人当たり国内総生産(GDP)は30年までに日本を抜くという
▲中国勢の追い上げも急ピッチで、サムスンも脅威に感じている。元々IT業界ではパートナーがライバルに早変わりするのが常だ。
この先、さまざまな組み合わせが現れては消え、アジア企業はめまぐるしく合従連衡を繰り広げていくだろう。
毎日新聞 2012年04月23日 01時37分
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