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石原慎太郎エッセイ『日本よ』
2003年2月3日発売の産経新聞より転載
産経新聞社HP URLリンク(www.sankei.co.jp)
「海図に載らない灯台」
最近政府がその一部の土地を正式に借款したことで、それをシナ(中国)の政府が非難し、
またぞろ焦点の当たりだした尖閣諸島の領有権の問題だが、これら島々が佐藤内閣時代に
行われた外交交渉によって、条約締結のもと正式に返還された日本固有の領土の
一部であることは疑いもない。しかしその後、周囲に海底油田の可能性が
云 々されだしたら、シナの政府は突然に諸島のみならず沖縄そのものまでがシナの
領土であると主張しだした。
驚いた日本政府はハーグの国際裁判所に提訴すべく、返還の当事者であるアメリカ に
証人としての協力を求めたが、狡猾なアメリカはシナへの将来の思惑もあって、
い ったん返還した領土の正式の権利者がいずれであるかについては責任を持てぬと
逃げてしまった。しかしこれは面妖かつ矛盾した話で、現にアメリカがその世界戦略に
不可欠な戦略基地を沖縄に置いている限り、その一部として返還された尖閣諸島がシナ の
国土であるとするなら、アメリカはシナの国土にその基地を置き、シナもまたそれを
許容していることになる。
このごたごたは返還以来続いていて、業を煮やしたかつての青嵐会議議員が挙金し、
学生有志を派遣して魚釣島に手製の灯台を建設したものだが、さらにその後の昭和五十三年、
右翼結社『日本青年社』が発奮し多額の資金を投入して立派な灯台を建設し てくれた。
その作業による過労のために隊員の幹部が死亡までしたが、そうした犠牲の上に
出来上がった完璧な灯台は、なぜかいまだに正式に登録されず海図に記載されることがない。
私は運輸大臣を退任した後灯台の完成を聞き、運輸省の水路部に紹介し専門家の調査を得、
灯台としての不足部分を補填してもらいさらなる検査を受け正式な灯台とし ての資格を
得た。しかしいざそれを海図に記載すべき段階で、なんと日本国外務省から
「時期尚早故に保留すべき」との横やりが入り灯台は完全な灯台として作動していながら、
海図の上に正式に記載されずにいる。
URLリンク(www.sensenfukoku.net)