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チベット侵略では他にも、密告制度や人民裁判に似た「タムズィン」という制度での洗脳工作が行なわれた。
この密告制度や人民裁判は、文化大革命(1966~1976年)でも多用された。
中国共産党の階級史観の下での人民裁判は、政敵を自己批判に追い込み、
大勢の前で恥をさらすことで、「自分が間違っていた」と認めさせる、いわゆる吊し上げである。
衆人環視の中、標的となった人物に「反革命分子」と書かれたカードを首からさげさせ、
罵詈雑言を浴びせたり、頭髪を剃ったりする場面を記憶されている方も多いかもしれない。
文化大革命はそれ自体が誤りであったことを中国共産党自身が認めざるを得なかったが、長らく継続してきた洗脳についても、
最近はその方針を転換しつつある。結局、洗脳を続けてきたチベットで、僧侶が中国当局へ抗議の意志を示すため、
焼身自殺に走るという悲惨な事件が頻発し、時間が経つとその効果が見られないことが主な理由だ。
現在では強圧的な洗脳よりも、幼少期からの刷り込みや第三者からの教育などを通じた、
ソフトなマインドコントロール方法に移行しつつある。
「中国共産党も最近では柔らかい洗脳方法に変え始めている。日本人も、中国が甘い言葉を言うときほど、
その裏の思惑に気をつけなければなりません」(ペマ・ギャルポ氏)
日本への震災復興支援を名目にした「パンダ外交」に、諸手を挙げて喜んでいては、中国共産党の思うつぼなのだ。