12/04/17 21:13:36.30 4s/ttagU0
次にキリスト教による科学の停滞という点を見よう。
天動説を見る限り、事態は全く逆である。
そもそも聖書のどこにも「太陽が地球の周りを回っている」などという記述はない。
(逆に「義の太陽」である神の周囲を、宙に浮いた天使たちが賛美しながら周り続ける描写などはあるが)
つまり『天動説』はキリスト教由来のものでもなく、その教義でもない。
実のところ『天動説』というのは、2世紀のエジプトの天文学者プトレマイオス(英語ではトレミー)の
著書によって広まったれっきとした『科学』であり、『偏心円』や『周天円』という考えを導入し
高度な数学によって裏づけされた、当時の最先端理論なのだ。
それゆえ優れた知識を持つ者たちにも支持され、長く唱えられ続けてきた。
当時コペルニクスやガリレイの天動説が退けられたのは宗教的理由ではなく科学的論争の結果で、
頑迷な科学者たちがどうしても自説を曲げなかったからだ。
そもそも今日の天文学の基礎を築いたコペルニクスガリレイもケプラーもニュートンも、
全員が純然たるキリスト教原理主義者である。
彼らは自らの発見や理論がキリスト教に乖離したものではない事を著作に書いている。
つまり「迷妄を信じる科学者が、真実を主張したキリスト教徒を迫害した」という
全く逆の構図こそが事実なのだ。
キリスト教によって西洋の芸術が大きく花開いたように、
ニュートンを初めとする偉大なるキリスト教原理主義者たちの力がなければ
近代科学の礎が築かれる事も無かったのである。
(ついでに言えば科学の母体となった数学や錬金術も全てが宗教起源である)