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大学にすみ着いた野良猫と共存しよう―。横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)の近くに住む
野方みどりさん(66)が学生と手を組み、そんな取り組みを続けている。
ごみを荒らさないよう給餌したり、繁殖を防ぐため避妊・去勢手術を施したり。活動開始からおよそ15年。
猫の姿は減り、ふん尿による被害もなくなるなど効果が出ている。
「三太郎、出ておいで」。発泡スチロール製の「猫小屋」に向かって名前を呼ぶと、白と黒のぶちの
猫が駆け寄ってきた。野方さんと学生らは1日1回、キャンパスの5カ所を歩いて回り、決まった場所で
餌を与えている。信頼関係が築ければ、避妊・去勢もスムーズに行えるという。
活動を始めたのは約15年前。長女が同大に入学し、校内を歩いたのがきっかけだった。目についたのは、
ごみ捨て場を荒らし、けんかで傷を負った猫たち。そんな姿を見て、以前滞在した米カリフォルニア州の
風景を思い出した。そこでは住民らが避妊や去勢手術を受けさせ、餌を与えることで共存を図っていた。
「きちんと世話さえすれば、穏やかに暮らせるのではないか」。夜行性に合わせて夜10時ごろから、
キャットフードと飲料水を持って校内を巡回。避妊・去勢手術も自費で賄った。数年がかりで50匹ほど
いた全ての猫に施した。
「餌付けして野良猫を増やしている」。付近住民から誤解も受けた。それでも校内が生ごみやふん尿で
汚れることがなくなると、次第に理解してくれるようになった。5年前には大学から感謝状を贈られた。
活動を広げようと、2008年には校内で学生たちに声を掛け、「ネコサークル」を設立。約10人の
メンバーで代わる代わる世話をしている。餌代や手術費用は、校内に募金箱を設置するなどして集めている。
野良猫は今では10匹程度に。野方さんは「猫が穏やかになり、数も減るため、猫好きはもちろん猫が嫌いな
人の不満も取り除ける。こうした活動が他の地域でも普及したらうれしい」と話している。
[神奈川新聞]2012年4月13日
URLリンク(news.kanaloco.jp)
猫の世話をしている野方さん(左)=保土ケ谷区の横浜国大
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