12/04/12 21:40:17.87 0
>>1の続き
しかし、それには背景と仕掛けがある。一例を挙げれば、明治のはじめ、日本の学校のほとんどは
欧米と同様、9月入学だった。ところが、旧制高校や他の上級学校が、同じ秋入学の陸軍士官学校や
海軍兵学校などとの間で生徒を取り合い、競争が激化した。それで「先に優秀な人材を」と、4月入学に
早めたのだという。桜との縁もそれからのことだ。
「桜の花は戦死を美化するために導入された」―。大貫恵美子氏の「ねじ曲げられた桜」(2003年、
岩波書店)は、日本の軍国主義体制が進む中で、桜に意図的なイメージが与えられたことを詳述している。
「桜の花のように、若者は天皇のために自分たちの命を犠牲にするが」「靖国神社の桜の花に生まれ
変わることを約束された」という。「貴様と俺とは~」の歌い出しで知られる軍歌「同期の桜」の歌詞は、
はっきりそのことを示している。
そしていま、靖国神社には桜の標準木があり、その花びらの開き具合で、気象庁は東京の桜の開花宣言をする。
これも「仕組まれた桜」の物語の名残りといっていいかもしれない。(終わり)