12/04/06 15:21:56.86 0
(>>1のつづき)
いわゆる《B級グルメ》が「安くて旨いもの」であるのに対し、《B層グルメ》は必ずしも安いわけでも
旨いわけでもない。しかし、《B層》は誘蛾灯のように引き寄せられていく。なぜなら《B層グルメ》は、
行動心理学から動物学まで最新の知見を駆使し、《B層》の趣味嗜好・行動パターンを分析した上で
つくられているからだ。店の立地、席の配置、照明の角度がマーケティングにより決定され、さらに
「産地直送」「期間限定」「有機栽培」「長期熟成」「秘伝」「匠の技」といった《B層》の琴線に触れる
キーワードが組み合わされていく。こうして、日本全国、駅前からデパートのグルメアーケードまで、
同じようなチェーン店が立ち並ぶようになってしまった。「豚骨と鶏ガラ、魚介、30種類の野菜を
3日間煮込んでスープをつくりました」みたいな闇鍋系ラーメン屋もこれにあたる。鍋に水と材料を
入れただけなのに、「これが私の作品です」と一端の料理人のような顔をしている素人が増えている。
これはグルメだけの話ではない。社会全体にB層的価値観が蔓延し、それを資本が増幅させている。
その結果、一流と三流、玄人と素人、あらゆる境界が失われてしまった。こうした社会では素人が
暴走する。《B層グルメ》に行列をつくるような人々が「行列ができるタレント弁護士」を政界に
送り込んだのもその一例ではないか。(てきな おさむ)(以上、一部略)