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「学生の親が、『なぜうちの子は研究職に就けないのか、職を斡旋してくれ』と直談判に来ました。
博士課程まで修了したのに、研究者になれないのはおかしいという。
しかし、そう言うなら、もっと勉強してほしい」(国立大学大学院教授)
大学に残るのを諦めて就職活動を始めると、大学院で過ごした数年間は単なる回り道。
むしろ新卒なのに三十路手前というのは、4年で卒業した人間より不利に働くことがほとんど。
事実、大学院博士課程卒業者の就職率はここ3~4年横ばいで推移。四大卒が6割なのに対し、
大学院の人文科学系に限れば、就職率はたったの3割だ。ちなみに、彼らの卒業後の進路の実に1割が、「不詳・死亡」である---。
もちろん、優秀な大学院生も数多くいる。しかし、彼らの待遇は恵まれない。今度は社会の側から光を当てよう。
政府は'90年代から「大学院重点化」政策を進め、それに伴い大学院生が急増。
大学院在籍者数は、'11年度で約27万人と20年前に比べて約3倍にも膨らんだが、それに見合うだけの受け入れ先がないのだ。
『高学歴ワーキングプア—「フリーター生産工場」としての大学院』の著書がある水月昭道氏が語る。
「大学院生に対する世の中の需要がまったく発生していない。国が高学歴の人材を大量につくっているのはいいけれど、
修士や博士を修了した人たちが活躍できる場所が整備されていないわけです。
たとえばiPS細胞をつくる研究室には、超一流の博士たちが100人単位でいますが、
大学も正規雇用枠を用意できず、彼らは生活苦にあえいでいる」
何十倍という審査・試験をくぐり抜け、せっかく見つけた非常勤講師の職は、年収100万円にすら届かないという。
「早稲田など一部の大学は、博士号を取得したものの終身雇用の研究職にありつけない
『ポスドク』(任期つきの研究員)問題について真剣に考え始めましたが、大半の大学は『勝手に職を探しなさい』と何もしない。
そのくせ、教授は学生のためではなく、自分の研究を手伝わせるために学生を大学院に入れようとしている」(大学問題に詳しいジャーナリスト)
かくして肩書だけは一流であるが、定職にはつけず、給与は低く抑えられたフリーターへの道を辿る大学院生が、毎年生産される。