12/04/01 22:22:08.06 0
(>>1からの続き)
18~34歳に年齢幅を広げると、仕事のない人たちの半数近くが、親との同居を余儀なくされている。
一方、フルタイムかパートタイムの仕事を持つ「ブーメランキッズ」(親元に戻った子供)は35%、
フルタイムでは30%どまりだ。つまり、経済的要因がパラサイト化に大きな影響を与えているのは疑う
余地がない。実際のところ、ピュー・リサーチ・センターの調査では、25~34歳の同居組の8割が、
お金がないために希望どおりの生活を送れない、と答えている。
ニューマン教授が『アコーディオンファミリー』のなかで再三取り上げているのが、日本の同居組の
例だ。若者の経済環境の悪化によるパラサイトシングルの増加は、晩婚化や少子化、不動産市場の
伸び悩みなどに追い打ちをかけ、生産性の減少を招き、国の経済力や国際競争力を低下させる―。
日本を見れば一目瞭然、というわけだ。
移民パワーのおかげで、米国は、まだ人口減の問題は抱えていない。だが、ブーメラン化が進めば、
若者はマイホームを買わなくなり、親の世代のような富も築けず、親の老後の面倒を見れるだけの財力
にも事欠き、もはや自力では中流層としての生活を維持できなくなってしまう。
事実、2010年の時点で、貧困レベル以下の生活をする25~34歳の米国人は17.4%に達したが、複数
世代と居を共にする同年代の人たちの貧困率は 9.8%にとどまっている。つまり、親という
「セーフティーネット」のおかげで、かろうじて貧困を免れている若年層が少なくないことが分かる。
ニューマン教授が米メディアに語ったところでは、ブーメラン化の加速で、20代後半以上の人が親と
同居することへの「スティグマ」(恥)も徐々に薄れつつあるという。まさに「自己責任大国」米国も
隔世の感あり、だ。
さらに意外なのが、自立心と自活を身上としてきたはずの米国の若者が、親との同居を快適に感じて
いることである。先のピュー・リサーチ・センターの調査では、25~34歳の同居組のうち、親との生活に
満足していると答えた人が、実に78%に上っている。
(後略、記事引用ここまで)