12/03/30 02:04:58.98 0 BE:582028782-PLT(12066)
■記者の目:3年後のスポーツ新聞=藤山健二
◇情報の「質」武器に「深い」記事を
新聞、雑誌などの活字メディアは今、かつてないほど厳しい状況に直面している。
若者の活字離れ、インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ツイッターなどの急速な普及。
当然、スポーツ新聞も例外ではない。スポーツ関連の情報を入手する唯一の手段がスポーツ新聞であった時代は終わり、
多くの読者がネットメディアに流れていった。どうすれば読者に再び新聞を手に取ってもらえるのか、
活字離れ世代にアピールできるのか、新聞の製作に携わるすべての人間が同じような悩みを抱えながら働いている。
◇速報性はTVやネットに軍配
確かに速報性ではスポーツ新聞に勝ち目はない。
その日に起きたことを翌日に紙面化する新聞はリアルタイムで試合の様子を伝えられるネットには勝てない。
限られた枚数の中で一日の出来事をまとめなくてはならない以上、情報の「量」においても同じだ。
しかし、一番大切な情報の中身、記事の「質」は間違いなくスポーツ新聞の方が上だ。テレビやネットの速報ではわからない舞台裏、
勝負のポイント、選手の本音。スポーツに詳しい専門記者だからこそ書ける記事、撮れる写真は、他のどのメディアよりも見応えがあるはずだ。
3年後でも10年後でも、スポーツ新聞が存続する限り、記事の「質」が最大の武器であることは永久に変わらないだろう。
昔と違って今は「スポーツなら何でも好き」という読者は少なくなった。自分の好きなスポーツにしか関心がない若者が増えている。
野球ファンとサッカーファンはほとんど読者層が重ならない。興味の範囲が狭くなった分、彼らはより専門的な情報を求めるようになった。
だが、各スポーツから芸能、ギャンブルまであらゆる分野を扱う今のスポーツ新聞にとって、専門色を強めるのは簡単なようで難しい。
しかし、「広く浅く」ではなく「広くても深い」記事を載せ続けない限り、スポーツ新聞の未来はない。(>>2-5へ続く)
毎日新聞 2012年3月30日 0時24分
URLリンク(mainichi.jp)