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かつて堅牢な門が存在したことを示す大門の支柱に「嘆きの壁」と呼ばれる高塀―。
1958年の売春防止法施行以前の遊廓の面影を色濃く残す飛田新地は、今なお妖しい魅力を放ち、男と女を引き寄せている。
この色街を12年にわたって取材しているフリーライターの井上理津子氏が飛田の色と欲を描く。
映画のロケ地のようだと驚くなかれ。
「おにいちゃん、おにいちゃん、おにいちゃん……」
男が通るたび、玄関脇にいる曳き子が連呼し、おいでおいでと手招きする。
「ほら、こんなかわいい子やで~」「遊んでいってや~」
緋毛氈(ひもうせん)が敷かれた上がり框に、白熱電球で煌々と照らされた女の子が、ちょこんと座っている。
ずばり、美人ばかりだ。ラメが光るキャミソールからはみ出した胸がはちきれそうな子、
ショートパンツからむき出しの足が艶かしい子……。彼女らは、上目遣いに、品をつくって男に微笑みかける。
「かわいいなぁ」男が思わずつぶやくと、「かわいいだけちゃうで。ええ仕事するでぇ」と、曳き子が返す。
「ちょっと待って。一回りしてくるわ」の男には、「はいよ、待ってるよ~」と決して引き止めないが、頬がゆるんだ男には、
「さすがおにいちゃん、目が高いわ。どうぞどうぞ」
壁に貼った料金表を指す。〈15分、1万1000円~〉
そうして、一人、また一人と男たちが、店の中に吸い込まれていく―。
ここは、大阪の飛田新地。東西南北約400メートル四方の元遊廓である。
いや、「元」でないことは推して知るべし。入口に欄間を施した、間口2間の同じ造りの店がずらりと並んでいる。
2012年3月現在、155軒。推計400~500人の「女の子」がいる。
1918年(大正7年)に、すでに通天閣が聳えていた繁華街・新世界からも、木賃宿が建ち並んでいた釜ヶ崎からも
500メートルほどのこの地に、大阪府認可の「飛田遊廓」として誕生。
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