12/03/24 21:58:53.20 AMB8savw0
菅首相の「要請」で浜岡原発が停止されてから、各地で原発停止の住民運動が広がっている。
この問題で一貫して明快な主張をしているのは、社民党の福島みずほ党首である。
彼女は以前から浜岡の停止を求めており、今度はさらに進んで、
「命を大事にするために、すべての原発を即刻止めるべきだ」と主張している。
その通りである。もっと一貫して、命を大事にするために、
すべての自動車と飛行機の禁止を求めてはどうだろうか。
彼女に代表される「絶対安全」を求める“ヒステリー”は、日本社会の病である。
これらは目先の不快な現象をなくすことだけを求め、その結果を気にしない。
原発を止めることによる「安心」のメリットはわかりやすいが、
それによって電気代の値上げや成長率の低下が起こるのは先の事なので、因果関係がよくわからない。
電力が足りなくなったら、また「政府の失策だ」とか何とか攻撃すればいいのだ。
太陽光などの再生可能エネルギーを開発することは重要だが、それは原発の代わりにはならない。
石油火力は、原油価格が上昇する中では高価なエネルギーになる。
残された選択は石炭火力と天然ガスだが、化石燃料に依存するリスクは大きい。
今でも欧米の2倍以上の電気料金がこれ以上高くなったら、日本で製造業は成り立たなくなるだろう。
そこに待っているのは「エコな生活」ではなく、今の首都圏のようなエネルギー不足が恒常化し、
産業競争力が失われ、マイナス成長の続く世界である。
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国民がそれを望むのであればやむをえないが、彼らはいったん得た豊かな生活を捨てないだろう。
『潤沢で安いエネルギーとそのリスクは、トレードオフになっている』のだ。
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今後、エネルギー価格の上昇は避けられない。製造業では多くの雇用が失われるだろう。
原子力を再生可能エネルギーで代替することは、きわめて大きな問題をもたらす。
〔上武大学特任教授、SBI大学院大学客員教授 池田 信夫〕