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・開会中の大阪府議会に提案されている「府子どもを性犯罪から守る条例案」が、単独過半数を
占める大阪維新の会などの賛成で、23日の総務委員会と本会議で可決、成立する見通しだ。
子どもを狙った性犯罪の前歴者に対し、自治体への住所の届け出を義務づける全国初の条例。
府は「前歴者を更生に導き、被害をなくすため」と強調するが、制度化を巡る課題は多い。
条例案は、18歳未満に対する強姦や強制わいせつなどの性犯罪で刑期を満了してから
5年以内の者が府内に住む場合、住所、連絡先などを知事に届け出るよう義務づけた。
違反者は5万円以下の過料。届け出た前歴者に対し、社会復帰に向けた相談や必要な支援を
行うとしている。成立すれば10月1日に施行される。
「府民に、監視のための条例と受け止められていないか」。府議会総務委員会では、条例の
趣旨をただす質問に、府の担当者が「社会復帰支援が目的で、決して監視目的ではない」と
強調する場面が見られた。
一自治体が前歴に関わる情報を扱うことへの抵抗感は根強い。府の意見公募には、
「人権侵害だ」「府外に転居すれば意味がない」など批判的な声が寄せられている。
大阪弁護士会(中本和洋会長)は、「罪名、出所年月日」が届け出項目に含まれている点を
問題視、「情報が漏えいした場合の被害が甚大なのに、情報の管理規定が不十分」
などとして、制定に反対する会長声明を発表している。
社会復帰支援の具体像も見えていない。府は、研修を積んだ「社会復帰支援員」に委嘱する
方針で、精神科医、臨床心理士、警察官、保護司などを想定しているが、人選はこれからだ。
条例の素案作成にあたった国立精神・神経医療研究センターの福井裕輝医師は「再犯を
抑止するのに、医学的治療が不可欠な前歴者もいる。対処できる専門家を集める必要が
あるが、簡単ではない」と指摘する。(抜粋)
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