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医師や社会保険労務士らが関わり、多数の「偽装患者」が障害年金計約1億6千万円余りを
不正受給したとされる聴覚障害偽装事件は19日、医師に対する判決が札幌地裁であった。
うその診断書を作ったなどとして詐欺と虚偽診断書作成・同行使の罪に問われた
札幌市の医師前田幸あき(あきは日の下に立)被告(77)に対し、園原敏彦裁判長は、
懲役8年(求刑懲役15年)を言い渡した。被告側は即日控訴した。
園原裁判長は、動機について「だまし取った年金から分け前を受けていないものの、
偽装患者が通院して診療報酬を得た。相応の利益はあった。利欲的な動機に基づいた」と述べた。
果たした役割については「年金請求に不可欠な診断書を作成し、真実でない聴力レベルを記載した。
役割は大きく、診断書に対する社会の信頼を大きく損なった」と指摘した。
一方で「詐取された年金のうち過半は偽装患者が返済した。
被害の相当部分が回復された」などの事情にも触れた。
判決は、前田被告が診察時に「偽装患者」との間で、普通の声の大きさで
話しかけて返答を受けていたと指摘。「虚偽の診断書を作成する故意があり、
偽装患者や仲介者らの間に詐欺などの共謀があった」と結論付けた。
前田被告側は「患者にだまされた」と無罪を主張していた。
判決によると、前田被告と札幌市の社会保険労務士香田清被告(70)
=一審で懲役8年、控訴=は障害年金の請求者42人と共謀。
2002~07年、重度の聴覚障害があるとしたうその診断書を作成し、
香田被告が手続きをして障害年金など計1億6814万円をだまし取った。
検察側によると、前田被告は計約2700万円の診療報酬を得たとされる。
事件は07年に発覚し、前田被告や社会保険労務士、仲介者ら計24人が起訴された。
前田被告への判決で、一審判決がすべて出そろった。既に22人の実刑・有罪判決が確定している。(佐藤英法)
2012年3月19日23時40分
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