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★AIJ損失:「厚生年金保険料で補填」政府・民主検討
AIJ投資顧問の年金消失問題を受け、政府・民主党は16日、厚生年金基金の公的
年金部分の積み立て不足について、厚生年金加入者全体の保険料で補填(ほてん)する
検討に入った。同社に委託している同基金は一つを除き、中小の同業者らでつくる「総
合型」。加入企業の連鎖倒産が懸念され、救済措置が必要と判断した。前提として基金
側の自助努力を求めるほか、救済対象範囲を慎重に検討する意向だが、当該基金とは無
関係のサラリーマンらの反発は必至で、導入が難航することも予想される。
厚年基金は国が運営する厚生年金の一部も国に代わって運用、給付している。加入者
は厚生年金保険料の一部も厚年基金に納める。基金はその保険料も含めて運用する仕組
みで、好景気のころは国より高い年金を支払うことができた。それが株価低迷、超低金
利時代を迎え、厚生年金の給付に必要な資金さえ確保できない「代行割れ」の基金が
続出。そこで大企業などは代行部分を国に返し、別の制度に移行を終えた。
ただ、それには国から借りていた厚生年金の資金を返す必要があり、財政難の基金に
は困難だ。総合型基金では構成企業の1社が負担に耐えられずに倒産すると、残る加入
社が分担して責任を負わねばならず、連鎖倒産につながりかねない。慎重論もあるが、
政府・民主党内では「先送りはよくない」(民主党政務三役経験者)との声が大勢。
「保険料で運営している厚生年金の問題に税を投入すべきではない」(厚生労働省幹
部)として、財源は全額厚生年金の保険料とする意向だ。
(続く)
毎日新聞 2012年3月17日 2時30分(最終更新 3月17日 10時40分)
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