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「あるおばあちゃんが幼い孫のご遺体を抱いたまま亡くなっていたんです。
指がお孫さんの遺体にぎゅっと食い込んで、なかなか外せなかった。
震災直後は、そんな光景がどこでも当たり前のようにありました」(石井氏)
海で見つかった遺体は損傷が特に激しく、正視できないものが少なくなかった。
<人間の姿はここまで残酷に変わり果てるものなのかと思うと、
自分と彼らをわけたものが何だったのかと改めて考えてしまう>(『遺体』より)
そんな凄惨な現場で、遺体を収容し送っていたのは、地元・釜石市の人々だった。
彼らのおかげで多くの遺族が救われたと、石井氏は話す。
前出の安置所に遺体を運んできたある市職員の言葉が、石井氏は心に残っているという。
「自分が犠牲者だったら家族の元に帰りたいと思う。家族の元に帰る手伝いをしてあげたいんです」(石井氏)
また彼らは、どんな遺体でも見つけたときには、「家族の元に帰れるよ。よかったね」と、声をかけることを忘れなかった。