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大阪市のホームページによると、平成24年度の給与・手当カット後の年収は行政職が639万円、技能労務職が578万円だ。
行政職の方が年収は1割も高い。問題の民間給与だが、平成20年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、
大阪府の企業規模10人以上の平均年収は534万円に過ぎない。
大阪市の行政職の平均年収はカット後でも、民間の平均より22%も高いのだ。
ちなみに規模5~9人の大阪府企業の平均年収は417万円だから、ここから考えれば、
大阪市の行政職は、民間よりはるかに高い年収をもらっていることになる。
ところが、橋下市長は行政職の思い切った給与削減には出ない。
平成24年度の年収削減率は平均で4.8%に過ぎないのだ。
それなのに橋下市長は市議会で、職員の給与カットについて
「国が2年かけてやろうとしている水準を、わずか2カ月で実現してくれた。
職員と職員組合には敬意を表したい」と絶賛しているのだ。
これは一体何を意味するのだろうか。理由は三つあると思う。一つ目の理由は、行政職を敵に回したくないということだろう。
自分の行政を支えてくれる行政職の反感は買いたくないが、現業職員を敵に回しても、何の問題もないということだ。
そして、二つ目の理由は、生贄を作ることだ。4割近い年収カットというのは、
働く人からみたら恐怖以外のなにものでもない。生活そのものが崩壊してしまう。
それを横目でみたら、行政職の職員は、自分たちがそうならないように、市長の言うことを何でも聞くようになるだろう。
そして三つ目の理由は、最初に大きな数字を示しておいて、後で緩和してやるということだ。
例えば4割カットと最初に言っておいて、3割カットで勘弁してやれば、
バス運転手は「橋下市長のおかげで1割も給料を上げてもらえた」と感じてしまう。弁護士がよく使う交渉術だ。
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