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「それは大嘘だ。むしろ官邸側は東電に、『何事も指示なく勝手に進めるな』『官邸の了解なし
に判断するな』と指示していた」
菅氏の無理な現地視察がベント作業の遅れにつながり、水素爆発が起きた可能性は否定でき
ない。
■東電撤退も誤解
3月14日夜、2号機原子炉の破損を懸念した吉田所長が東電本店に「必要な人員を残して作業
員を敷地外へ退避させるべきだ」と相談した際にも、「伝言ゲーム」の過程で誤解が生じた。
これを官邸側は「東電が全面撤退」と受け取り、菅氏は15日午前4時ごろに清水正孝社長を
官邸に呼び出した。清水社長は「そんなことは考えていない」と明確に否定したが菅氏は納得
せず、午前5時半ごろに東電本店に乗り込み、再び怒鳴り散らす。
「いったい、どうなっているんだ! あなたたちしかいないでしょ。撤退などありえない。撤退すれ
ば東電は百パーセントつぶれる」
このとき、菅氏は大勢の東電社員が徹夜で作業を続けていたオペレーションルームを会議室と
勘違いし、こんな怒声も上げた。
「こんなにいっぱい人がいるところじゃ、物事は何も決まらないんだ。何をしているんだ!」
その場は同席者が何とか収め、菅氏を別部屋に案内したが、菅氏は結局3時間11分も居座り
作業を邪魔した。このときも、菅氏周辺から「全面撤退を菅さんが体を張って止めた」「菅さんが
首相でよかった」などという情報、コメントがまことしやかに流された。
政治部・阿比留瑠比 首相の責任 全容解明を その2
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