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(>>1の続き)
だが拉致行為や北朝鮮の体制に責任のない生徒たちに、責めを負わせてはなるまい。
民主党政権は「教育に外交上の問題をからめない」と確認している。そうであるならば、政治の思惑によって、
少数派であり、多感な年代である生徒たちを疎外するべきではない。
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と結びついた学校のあり方にも疑念の声がある。文科省はそうした点にも踏み込み、調査を続けてきた。
その間の議論を通じ、学校側は開かれた教育への姿勢を示しつつある。教科書の記述も改める動きが出てきた。
父母の間にも、祖国の「3代世襲」に違和感を持つ人はいる。教室に肖像画を掲げることも考え直す時期だろう。
そして、自国の負の部分も教えるべきだ。
多様な学びの場の一つとして認めた上で、自主的改善を見守る。そんな関係を築けばよい。
歴史を思えば、私たちは在日の人たちとその社会をもっと知る努力をすべきだ。
韓流ドラマの翻訳を支えるのは民族の言葉を学んだ在日だ。年末の全国高校ラグビーには、
大阪朝鮮高校がホームタウンの代表として3年連続で出た。彼らは北朝鮮だけを背負っているわけではない
生まれ育った国と祖国の間で悩み、揺れながら生きる若者がいる。
なぜ自分たちがハンディを負わされるのか―。政治の動きに巻き込まれ、生徒たちは苦しんできた。
アウェーの寒風をいつまでも浴びせてはならない。
(終)