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大阪市立の全297小学校で10年度末現在、保護者に支払い能力があるのに未納となっている給食費が
計約4890万円に上っている。催促しても、保護者が「ケータイの支払いが先」「義務教育なので無料
のはず」などと渋るケースが続出。市教委が支払い督促の申し立てなど法的措置を取ったのは4%の
約215万円にとどまっており、市の外部監査を担当した公認会計士は積極的に請求するよう求めている。
市教委によると、02~10年度の累計未納者(児童)数は延べ2447人。市教委は、生活保護受給世帯
など経済的に困難な家庭に対しては給食費の支払いを免除しており、未納者には支払い能力があるとみられる。
しかし実際には、▽電話や文書で督促しても応答がない▽督促に対し「学校に行く」と返事したのに現れない
▽夏休みに職場まで行ったが払わない--などの例が相次いでいる。
市では10年度に市税などの滞納者への徴収を強化するチームを結成し、給食費の滞納についても法的措置
を取るようになった。市教委のガイドラインでは、3カ月以上の未納で校長が保護者と面談して請求。応じない
場合は督促状を交付し、未納期間が6カ月を超えれば「校長意見書」を市教育長に送付して法的手続きを求める。
だが、保護者との関係悪化を恐れる校長のところで手続きがストップしているのが現状。「給食制度に反対」
だとして拒む親もいるという。市内のある小学校長は「子ども手当の支給日に支払いを催促したり、目の前で
計算機をたたいたりしたこともある」と苦労を打ち明ける。
10年度末現在で支払いを督促された保護者は13人(最高額で約46万円=延べ7年分)。監査報告書で
「納付している保護者の納得が得られずモラルハザードの温床になりかねない」と指摘された市教委は
「法的措置のハードルを下げるなど対策を考えたい」としている。
民法は、債権は請求しなければ原則10年で消滅すると規定。例外的に1~5年の短期消滅時効を定めており、
「生徒の教育や衣食にかかる債権」は「生産者や商人が販売した商品についての債権」などと並んで2年で時効になる。
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