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こうした中でも変化が著しいのは羆だ。
本来のエサである木の実や植物を求めて山の中を歩き回るより、手軽にサケや
マスを食料とする羆が昔より多くなっていることは確かなようである。
(中略)
身の毛をよだたせるような威嚇の声を聞くこともたまにあった。翌日その場所に
行ってみると、ほとんどの場合、死んで打ち上げられた魚を漁っていた跡があった。
よく報道写真などで、羆が飛び跳ねるサケを獲っている姿を見ることがあるが、それは
これまで日本では珍しいことだったのだ。
しかし、最近では川の中で群れをなし、元気に泳いでいるサケやマスを狙うことが多い。
弱って死んだものには見向きもしないような羆が増えている。
(中略)
二〇年以上前に、ある写真家が、サケ、マスを咥えた羆の写真を撮りたいがために、
餌付けをしたことが始まりだったともいわれている。それが羆の間に一つの文化として、
広まったようなのだ。
『羆撃ち』久保俊治より