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★橋下・維新の会の「地域主権」の危険性 国防と防災で危機を招く
橋下徹・大阪市長による大阪市政改革は真っ当な政策が多く、本欄ではエールを送っているところではある。
27日は、民間よりも大幅に高額だった市営バスの運転手の年収(平均739万円)を4月以降、4割削減する方針を固めたと報じられている。
大阪府内の大手バス会社の運転手の平均年収は544万円で、195万円も高かった。
市バスの事業は28年間赤字続きで、累積赤字600億円を超えているため、
府内大手5社のうち最低水準の南海バスの441万円程度にまで引き下げる方針だという。
このほか同じく大阪市交通局の事業である地下鉄についても、運転士や駅員らの給料カットも検討している。
こうした民間水準より異常に高い収入を得ている赤字の公営事業に大鉈を振るうのは、
全国でもめったに行われることではないので、橋下市長の手腕によるところが大きい。
ただ、橋下氏率いる「大阪維新の会」が進出を狙う国政上でも、その手腕が発揮できるかどうかは、かなり怪しくなってきている。
大阪維新の会は文字通り大阪府や大阪市といった一地域を基盤とし、次期衆院選の公約の大きな柱に「道州制の実現」をうたっている。
この地域主権の考え方が維新の会の最大のボトルネックとなるだろう。
この点についての代表的な批判を紹介しておきたい。
▽佐々淳行・初代内閣安全保障室長
国民が今、政治に求めていることは、国家の安全と国民の安心、孫の代に他国の属国にならないことである。
賢明な日本国民は、今が幕末によく似た日本国家存亡の危機であることを知って、
救国の英雄待望論から一昨年の龍馬ブームを起こし、「船中八策」となったのだ。
龍馬の「船中八策」は、「中央集権・富国強兵」の愛国心の発露で命がけの提言だったが、
「維新の会」のそれは「地方分権・地域主権」の提言であって、方向性は真逆なのだ。(2月24日付産経新聞・正論欄より)
(続く)
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