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アメリカには著名ジャーナリストとして活躍する新聞記者は多い。
『フラット化する世界』を書いたニューヨーク・タイムズ記者トーマス・フリードマンもそうだし、
ウォールストリート・ジャーナルの看板IT(情報技術)コラムニストであるウォルト・モスバーグもそうだ。
しかしその裏で、大勢の新聞記者が職場を追われている。新聞業界では過去10年でざっと4人に1人以上がリストラに遭っている。
エリート記者であっても、である。フリードマンやモスバーグはほんのひと握りなのである。
いまだに終身雇用が守られ、高給も維持されている日本の新聞界とは天と地ほどの差がある。
ウォールストリート・ジャーナルとロサンゼルス・タイムズで合計20年間働いた
エリート記者リック・ワルツマンも例外ではない。前回紹介したように、1年間のサバティカル休暇を有給でもらい、
本を書くほどのエリート記者であったにもかかわらず、2007年に新聞界から飛び出さざるを得なくなった。
ワルツマンが新聞記者時代の最後の5年間を過ごしたロサンゼルス・タイムズでは、
編集局の陣容が600人以下へ半減するほどのリストラの嵐が吹き荒れている。
編集局長も相次ぎクビにされている。昨年には最も栄誉ある公共サービス部門でピュリツァー賞を受賞するなど
気を吐いているものの、取材現場の現実は厳しい。
それでもワルツマンは「新聞記者時代はいつも楽しくて仕方なかった」と振り返る。ワークライフバランス
(仕事と生活の調和)を犠牲にしてまで仕事に打ち込んだのも、「いつもアドレナリン状態で、やりがいがあった」からだ。
日本ほど給与面で恵まれていないものの、「ジャーナリストはおカネだけで働いているわけではない」と強調する。
日本では新聞記者の間で「特オチ回避のためのニュース競争に意味を見いだせない」との声も多い。
仕事にやりがいを感じてがむしゃらに働くエリート記者もリストラされてしまうアメリカ、記者は必ずしも仕事にやりがいを感じないものの
能力に関係なく雇用と高給を保障される日本---。「新聞記者=多忙」で日米は共通していても、意味合いは微妙に異なる。
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