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・山口県光市の母子殺害事件で殺人や強姦致死罪などに問われた当時18歳の元少年(30)が
20日の差し戻し上告審判決を前に毎日新聞記者の面会に応じた。
「事件の真相を認めてもらった上で、(判決が)厳しいものであれば受け入れたい」とした一方、
「厳しい刑罰こそ望むが、死はそこで途絶えてしまう」とも語り、複雑な胸の内を明かした。
「なるべく努めて、落ち着いて臨もうと思っています」。元少年は「検察の主張は事実と異なっている。(最高裁には)
証拠をきちんと見て判決を下してほしい」と訴えた。
肩幅は広くなり、がっしりした体格。事件時は細身だったが、今は頬骨も張り、たくましさも感じさせる。
「端的に言えば、悲しかった」。4年前、死刑を言い渡された瞬間をそう振り返る。「僕1人の命では、
亡くなった2人の命を償えない。未来を取り戻すことはできない」と思うからだ。臓器移植のドナー
登録に触れて「1人の命でも、複数の人の命をつなぐことができる」とも話し、「命をなくす死刑には
反対」と続けた。
差し戻し審の法廷では、遺族の本村洋さん(35)と向かい合える自分を目指したい、と述べた。
思いは変わらないといい、「等身大の僕を分かってほしい。それでも(本村さんが)極刑を望むなら、
裁判所に言われるより受け入れられる」と話す。だが「どういうことが償いになるのか教えてほしい」
「模索することも反省の一つ」とも言う。
法廷で述べた「(被害者のために何をしたいか)見つかっていない」状態から抜け出せない迷いも伝わる。
本村さんに謝罪の手紙を送った時期もあったが、「手紙には、受け取り手がいますから」といい、送るのを控えている。
本村さんはかつて記者会見で「手紙は開封していない」と明かした。今は母子の月命日、支援者の手を借り、
事件現場に花を供えている。
表情は落ち着き、時折笑顔も見せながら早口が続いた。拘置所の単独室では本を多く読み、筋力づくりにも
励んでいるという。東日本大震災支援者と相談し、福島の子どもたちに放射線測定器を
贈るための募金に協力した。(抜粋)
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