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・政治の劣化が止まらない。橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の政治塾に
3326人の応募があった。この中から衆院選の候補者が誕生する見込みだ。この政治塾、
野田首相らが学んだ松下政経塾と比較にならないほど、お粗末である。
「新しい国家経営を推進していく指導者育成」―松下幸之助の理念で設立された
松下政経塾には、曲がりなりにも“学び”があった。全寮制で、研修期間も4年間と長い。
入塾を許されるのも毎年10人以下という狭き門だ。
「地盤」「看板」「カバン」がない政治家志望の若者を育てようという思いはあったのだ。
それでも成果がサッパリなのは、野田政権の迷走を見ても明らかである。玄葉外相、
松原国家公安委員長、前原政調会長、樽床幹事長代行と、政経塾OBは閣僚や
党役員として重要ポストに就いているが、“新しい国家経営”はまったく見えてこない。
彼らがリードする増税や復興、TPP、米軍基地移転で、国民の暮らしはグチャグチャだ。
じっくり育ててもこれである。橋下の政治塾は、さらにタチの悪い政治家を生みそうだ。
「襤褸(らんる)の旗 松下政経塾の研究」の著者でジャーナリストの出井康博氏が言う。
「維新の政治塾に入れば、次期衆院選に立候補できる可能性は高い。政治家の志望者が
大量に集まったのもムリはありません。ただ、そのために受ける講義は月2回だけ。しかも
総勢2500人を5グループに分けて開講する方針というから、500人単位の塾生をまとめて
教育することになる。こんなシステムから有能な政治家が生まれるとは思えません。
要するに、この塾は、手っ取り早く橋下チルドレンを大量生産するための仕掛けに
過ぎないのです。本気で政治家を育てる気があるのなら、衆院選向け公約集
“維新八策”を公表してから募集するはず。その前に人集めをしたのは、チルドレンづくりが
目的ということでしょう」
それでも次期衆院選は、維新政治塾の出身者が次々に当選する公算は大きい。日本を悪くする
政治家を生んだ松下政経塾を、さらに粗悪にした塾から生まれる政治家たちが永田町を
闊歩するのだ。この国の終わりは、本当に近い。(抜粋)
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