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俺は迷っていた。
どうしても大学に行って、父のような医者になりたいのだ。
しかし尊敬していた父は10年以上前に他界。
俺は母親に女手ひとつで育てられた。
決して経済的も裕福とはいえない我が家に、医学部進学は厳しいことくら分かっていた。
でもついにある日、決心して母に打ち明けた。
母はそっと立ち上がって奥の部屋に行き、一枚の通帳を持ってきた。
「これ、お父さんがあなたの将来のためにって作ってくれた口座。
学費くらいならなんとかなるくらいの額が入ってるから
あなたの好きに使いなさい」
涙が出た。
父とすごした幼い日々の、短い年月。その思い出があふれてきたようだった。
俺は父の愛に報いるため必死で勉強し、国立大学の医学部に合格した。
春からは一人暮らしだ。
生活費はバイトで稼ぐけど、学費には父の遺してくれたお金を使おう。
銀行へ行った。
「残高がありません」。
何のことか分からなかった。
民主党が。
俺の父の愛も、俺の母の苦労も、何も知らないゴクツブシ集団が。
盗んで行ったのだと。
行員はそう説明した。
「残高がありません」。
残高が、ありませんよ、父さん。残高が、なくなってしまいました、母さん。
どうすればいいですか。