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「八策ある」/と、竜馬はいった。/海援隊文官の長岡謙吉が、大きな紙を広げて毛筆筆記の支度をした。
/「言うぜ」/竜馬は長岡に合図し、やがて船窓を見た。/「第一策。天下の政権を……」
▲司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」が描く「船中八策」の情景だ。
上洛(じょうらく)途中の船で坂本竜馬が起草したこの大政奉還後の新体制構想が明治維新に生かされたという。
それが今、時の言葉となったのは、むろん橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会の国政の公約としてだ
▲「人に時計をくれてやっても、使い方を教えてやらねば何もならぬ」。小説の竜馬は土佐の後藤象二郎にそう言って八策を授けた。
時計とはむろん政権だ。ならば大阪発の八策は果たして国政の時計を回せる成案を得られるのか。何やら怖いもの見たさの気分も漂う
▲これに先立ち、維新の会が次期衆院選をにらんで開講する政治塾には3000人を超える応募があった。
時計を回す策も決まらぬうちから集まった人の数もさることながら、
なかには時計を回すのに専念してもらわねば困る与党国会議員までいたから有権者も仰天だ
▲それもこれも、いつまで待っても国民から預かった時計をさっぱり回せぬ国政のていたらくが招いた波乱である。
14日公表された維新版・船中八策のたたき台には「言うだけなら何でもできる」と批判する与野党だが、
言葉がそのまま自分らにはね返るのが情けない
▲八策の骨子を詰める会議は26日にある。でもまさか維新とは2・26事件の青年将校の合言葉「昭和維新」にあやかってのことではあるまい。
いろいろと歴史の勉強が必要になった平成の維新である。
毎日新聞 2012年2月15日 0時04分
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