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★「原発救った命綱」仮設電源ケーブル…福島第二
東日本大震災以来、初めて報道陣に公開された東京電力福島第二原子力発電所。
敷地内には津波の爪痕が残るが、原子炉建屋や格納容器内に損傷はほとんどなく、
メルトダウン(炉心溶融)から水素爆発に至った第一原発との違いが際だった。
「これが仮設の電源ケーブル、第二原発を救った命綱です」。敷地内に巡らされた
ケーブルを指し、福島第二原発の設楽親(したらちかし)副所長(52)が説明した。
昨年3月11日の震災直後、ヘリコプターで東電の資材センター(茨城県土浦市)から
運び込んだ。100人を超える作業員が12日未明から2日間、夜を徹して敷設し、
冷却に必要なポンプに電源をつなげ、津波で失われていた冷却機能を回復させた。
海岸近くでは津波で破損した設備が見られたが、1号機南側には高さ約4メートルの
仮設防潮堤がそびえていた。第一原発と同規模の津波にも対応できるという。
事故から約11か月。安全が確認された1、4号機の原子炉建屋内に入った。1号機
では使用済み核燃料一時貯蔵プールがある6階に向かった。1770本の燃料を浸す
プールは静かに水をたたえていた。
4号機では、事故直後に圧力が異常上昇した格納容器の中を見た。高温のために配管
の塗装が一部はがれ当時の過酷な状況をうかがわせたが、配管や弁などに損傷はなかっ
た。圧力容器を支えるコンクリート製構造物の中では、制御棒の駆動装置などが林の
ように突き出ていた。圧力容器には、制御棒が挿入された状態で燃料が入っている。
放射線量は、周辺の10倍以上の毎時160マイクロ・シーベルトに跳ね上がった。
(2012年2月9日10時23分 読売新聞)
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※写真 電力を供給する仮設ケーブルを視察する福島県と地元の楢葉町、富岡町の担当者ら
(8日午後、福島第二原発一号機付近で)=佐藤俊和撮影
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