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沖縄防衛局長の問題や田中防衛相の大バカ答弁に目を奪われているうちにTPP交渉がどんどん進められている。
昨年秋にはあれだけ騒ぎになったのがウソみたいに“既成事実化”が進んでいるのだ。
そんな中で明らかになったのが、TPPの黒幕といわれた女性キャリア官僚、
宗像直子・経済産業省通商機構部長(グローバル経済室室長)の暗躍だ。
この国の官僚は油断も隙もあったもんじゃない。
宗像部長といえば、昨年秋のAPECで名前が知れ渡った「TPPの黒幕」だ。
野田首相が「言った」「言わない」で大モメになった「日本は全ての物品サービスを(TPPの)貿易自由化交渉のテーブルに乗せる」
との発言は、彼女が枝野経産相のために作成した文書の中にバッチリ、出てくるのだ。
TPP慎重派議員が追及し、シラを切る宗像の“したたかさ”がクローズアップされたものだが、
彼女の暗躍はこんなものではなかった。
昨年3月、東日本大震災が起こり、以後、菅政権は震災・原発対応に忙殺された。TPPの議論は封印され、
全省庁が震災対応にかかりっきりになっていた最中も、水面下でこっそり、TPP慎重派潰しにいそしんでいたのである。
「これが明らかになったのは今月2日に開かれた『TPPを慎重に考える会』の勉強会です。『TPPを考える国民会議』
副代表世話人の久野修慈・中央大学理事長(日本精糖工業会会長)が宗像氏が慎重派の説得に動き回っていたことをバクロし、
問題にしたのです」(ジャーナリスト・横田一氏)
久野氏といえば、元大洋漁業の取締役などを歴任、同社の社外取締役だった白洲次郎の秘書を務めたこともある。
精糖工業会会長のほかに和菓子振興会会長も兼務し、旭日中綬章も受けている。歴代農相とは太いパイプがある
農水業界の有力者で、TPP反対派の超大物だ。その久野氏が勉強会で、こんな話をしたのである。
「宗像直子さんから何回も『会いたい』と電話があり、昨年の6月30日、同僚と2人で私の会社(中央区日本橋)に来ました。
とうとうと1時間45分、TPP問題について述べた上で、『農林水産大臣を説得していただきたい』と言ってきました。
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