12/02/06 12:53:24.67 0 BE:1091304465-PLT(12066)
枝野幸男経済産業相(47)が最も高く評価している首相は鈴木貫太郎だそうだ。最近出た雑誌「g2」(講談社)のインタビューで自ら語っている。
口達者な弁護士閣僚と、寡黙で仙人めいた軍人老宰相。この取り合わせは面白い。
鈴木は日本が第二次大戦に負けた時の首相である。鈴木は戦争を終わらせた。枝野は何を終わらせるのか。
先週末、枝野に直接確かめると、「近代でしょう」と即答した。近代って? 「規格大量生産の社会」。原発を終わらせることとは違う?
「原発がメーン(の課題)ではない。むしろ省エネがポイントです」。枝野はそう言った。
「g2」のインタビューは20ページに及ぶ。政権交代への幻滅、エネルギー政策、憲法、小沢一郎と話題は多岐にわたるが、
全編を貫くキーワードは「脱近代」である。観念的と言えば観念的。インタビュアーの薬師寺克行東洋大教授(元朝日新聞政治部長)が、
さまざまな突っ込みを入れている。
--近代化とは?
枝野「経済成長のもとで、物を他国に売って豊かになっていくプロセスです」
--民主党が批判している格差拡大や非正規雇用の増加はそうした(=近代化継続の)矛盾の表れですか?
枝野「近代化を成し遂げた国は、新たに近代化する国に追いかけられ、(新興国と)同じ土俵で競争すれば社会が悪くなっていく。
小泉(純一郎)さんがやったことがそれ。こうした問題は『ポスト近代』の社会システムをつくることで克服すべきだと思う」……。
似ても似つかぬ2人だが、見方によっては共通点がある。国の重要政策を左右するキーパーソンだが、ハラの内は読めないというところだ。
鈴木は第二次大戦末期の1945(昭和20)年4月、首相になった。当時、内閣は和平派閣僚と抗戦派閣僚の呉越同舟だった。
海軍出身の鈴木は本心を明かさず、抗戦派の顔を立てながら、巧みに和平へ導いたというのが通説である。
枝野はどうか。この人はつまるところ脱原発なのか、原発維持なのか。脱原発派も、原発維持派も、枝野の本心を読み解こうと一生懸命だ。(>>2-3へ続く)
毎日新聞 2012年2月6日 東京朝刊
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